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2 昨年度、外部コーチを一名お願いしていたが、次のような問題点を感じたので述べさせていただきます。
?大会の時にチームの席に座れなかった。?夏休みでもコーチだけの指導は認められず活動が制限された。?練習ゲーム等交通費で指導費は終わってしまうのではないかと思う。以上のようなことを感じたが、外部コーチに来てもらって大変メリットが大きかったのでもっと多く認められるようになればと願っている。

 

3 部活動を学校教育の中に位置づけるとすれば、外部指導者を入れる必要は全くないし入れるべきではない。しかし、昨今のような社会状況(学校の部活動に対する保護者等の見方や、考え方、要望)の中で以前のような部活動の位置づけが難しいと判断された場合には、全てにおいて専門的である外部指導者に任せるべきである。いずれにしろ教職員と外部指導者の両方で部活動の指導を行うことは無理と考える。(昨年の経験から)

 

4 学習指導要領において「部活動の参加をもってクラブ活動の一部又は全部の履修に替えることができる」とあることから本来教員が指導に当たるべきだと考える。しかし、教員が顧問になり、専門外で指導する場合により高度な内容を与えたい時は外部の指導者をお願いすることも必要であると思うし、そのことが生徒のためになると考える。

 

5 現在、剣道部の外部コーチは大学院生であるがよく面倒を見てもらっている又、水泳部のコーチについても指定日以外にも練習メニューをFAXで送ってもらうなど大変喜んでいる。良い外部コーチなら歓迎したい。しかしこの体制はいつか検討の必要があると思う。

 

6 現在の部活動は教育活動の一環であり、社会的な方向はあるものの今後も現在の形態をしばらくは引きずっていくものと思う。部活動が実質的に学校教育の範疇にある以上必ず顧問が必要であり、あくまで顧問が指導の中心になるべきであると考えている。現状では外部指導者がその中の技術指導にあたる部分やメンタルトレーニング等にあたるケースが好ましいと思われる。あくまで生徒の掌握は顧問が行うべきで、名前だけの顧問が全て指導を外部指導者に任せてしまうことはいけないと考えている。

 

7 外部指導者に頼る前に顧問としての力量を高めることが必要だと思う。以前普段の練習には参加せず、大会の指導だけに入ろうという場合がありトラブルの原因となった。

 

5 現在の状況から見られる課題

 

運動部活動指導者派遣事業を基に今回の調査を行ったが、掌校が独自に外部指導者を導入しているところもある。この部分の調査は問い合わせ等で行ったため資料としての提示はできないものの、把握できた人数は10名であった。その内、手当なしが8名、学校からの手当支給は2名であった。外部指導者の資質については全ての指導者が良好とはいえない現状もあり、技術指導はできても、指導者の身だしなみから正してほしい旨の話もあった。

 

<生徒指導面>外部指導者は顧問・学校・保護者との十分な連携をとりながら、学校の現状・規則等の理解が必要となる。さらに生徒が部活をする上で身体に関わることや家庭状況の守秘義務等の生徒指導上公務員に科せられた義務の一部遵守は本人任せで良いのかという疑問はある。
部活中の生徒間トラブルについては外部指導者に指導をお願いするのでなく、顧問が指導すべきだと思われる。

 

 

 

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